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戦略的労務管理のすすめ20 [品川トピックス]

少しだけ前回の捕捉

残業代、有給休暇等を加味して全体の人件費を意識して基本給を設定しましょうと言いましたが、その結果として現在在籍している労働者の基本給を下げるケースが出てきたとします。
これ「不利益変更」になります。[バッド(下向き矢印)]

「不利益変更」の場合、事業主が勝手に行うと労働者と紛争が生じたときに「無効」とされる可能性があります。[がく~(落胆した顔)]

これから採用する方はいいですが、既に働いている方の基本給を下げるときは、本人と良く話し合い、個別に同意を得てからにしてください。

さて、本題。

賃金を人件費視点で設定することが基本であると言いましたが、労働者の賃金は入社してから最長で定年を迎えるまで変化していきます。

通常通り賃金が上昇するケースを想定し、横軸に年齢、縦軸に年齢ごとの賃金額とした場合に形成される曲線を「賃金カーブ」と言います。

この「賃金カーブ」は事業所によって違いますし、労働者によっても当然異なります。

今回のお話で重要なのは事業所の「賃金カーブ」。

事業所の賃金規程を見て自分の会社の「賃金カーブ」をイメージできるかということです。

これがわかると労働者は「この会社で働けば30歳のときは、いくらの賃金がもらえる。」ということがイメージできるわけです。[揺れるハート]

これって結構、重要なことなんです。

つまり、労働者にとって「安心感」が芽生え、定着率の向上に繋がるからです♪

「40歳でいくらの賃金がもらえるかわからない。」って、結構不安ですからね。[ふらふら]

事業所の規模に関わらず、「賃金カーブ」の設計をすることが重要になりますので、是非ご検討ください

戦略的労務管理のすすめ [品川トピックス]

引き続き「人件費」のはなし[ふくろ]

労働者に支払う賃金の内、忘れてならないのが「残業代」ですね。[夜]

労働者に時間外労働を命じておきながら、「残業代」つまり「時間外手当」を支払っていないのは本末転倒です。
よく「残業代含めて基本給〇〇円と労働者に説明し、了解の上働いてもらっている。」といわれる事業主の方がいらっしゃいますが、これ、労働審判や通常裁判では全く通用しません。[ドコモポイント]
労働契約書が存在しても同じです。

「固定残業代」を支払う事業所がありますが、これも色々と落とし穴があるので運用には注意です。

「固定残業代」は毎月時間外労働〇時間分を時間外労働のあるなしに関わらず、定額で支払うものですが、その時間分を超えて時間外労働をした場合は差額を支払うことが条件となっています。
従って、例えば極端な場合1年を通じてほとんどが設定時間内に時間外労働がおさまっていて、ある月だけ数時間超えたけれども、差額を支払わなかった場合はもともとの「固定残業代」の取り決めが無効とみなされ、すべての月の時間外労働を計算して支払えという判断をされる場合があります。[がく~(落胆した顔)]

したがって「残業代」というのは毎月、計算して支払うのがもっとも理想的です。
(面倒かもしれませんが・・・)

そこで賃金の組み立てをどうするかですが、毎月の時間外労働時間を過去の実績から想定することから「残業代」の見込みを算出してください。
この場合、当然「ダラダラ残業」「指示なし残業」といった使用者の管理外の時間外労働を排除しておく必要があります。(無駄な賃金を支払う必要はありませんからね。)[黒ハート]

「残業代」を見込むことができれば、事業所の支払い能力を勘案して「基本給」「諸手当」の賃金総額を設定できます。

結果として算出した「基本給」等が世間相場的に低くて、「人が集まらない」ということが考えられるかもしれません。その原因としては、時間外労働が相当長時間で想定しているのではないでしょうか。
そうなれば、時間外労働の削減といった課題を解決する必要がありますね。

「基本給」は相場なみ、「残業代」はキチンと計算してくれる、「時間外労働」は負担にならない程度。といったことを総合的にとらえて労働者は求人を見ています。

奥の奥まで考えて労働条件を設定しましょう![わーい(嬉しい顔)]
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戦略的労務管理のすすめ18 [品川トピックス]

もう少しだけ「人件費」の話。

「人件費」の中で大きなウェイトを占めるのが、社会保険料。

健康保険、厚生年金保険を合わせると賃金の13%ほどの事業所負担が発生します。

これが結構、事業所サイドには重荷になっていますね。[バッド(下向き矢印)]

しかも厚生年金保険料は料率が当面、年々アップします。

あまりに負担がきついので、フルタイムのパート、アルバイトの加入を行わない事業所がありますが、これは絶対にNGです

どうしても負担を軽減したいのであれば、パート、アルバイトをフルタイムではなく、労働時間を通常の労働者の4分の3未満で募集するしかありません。
(これも法改正で対象となる労働時間を引き下げようとする動きがありますので、いつまで効果があるか期待薄ですが)

また、高額賃金を受け取っている労働者を対象に、賞与を保険料対象の上限を超えて支給し、月例賃金を低くして全体の支払保険料を軽減する方法を行っている事業所がありますが、これも将来受け取る年金額に影響が出てしまう可能性がありますので、安易に行うことはあまりお勧めできません。

いずれにしても、社会保険料は「支払わない」というわけにはいきませんので、一体どの程度支払わなくてはならないのか、将来、賃金を引き上げていった場合にどの程度の負担が増えるのかを想定しておくことが重要ですね。
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戦略的労務管理のすすめ17 [品川トピックス]

台風19号が日本列島を縦断。被害に遭われた方には心よりお見舞いを申し上げます。
台風一過で少々肌寒く、「秋」もさらに一層深まってまいりました。

さて、賃金のお話。

前回、賃金を年次有給休暇に必要な費用も含めて、「人件費」として認識することが重要とお話ししました。

賃金は労働者が持続的にその事業所で働き続けるのかを判断したり、人生設計を構築する上でも必要に応じて引き上げていかねばなりません。

しかし、ただやみくもに賃金をあげるというのはいかがなものでしょうか。時系列で賃金を含めた「人件費」を意識して賃上げをしていかないと、気が付いたら事業収益を圧迫してしまいます。

「うちもそろそろ賃金制度を作らないといけない」と顧問先様からご相談を受けますが、「その賃金制度を導入時点だけでなく、5年10年20年と運用したときに総額人件費がどの程度になるかをシミュレーションしておくくことが極めて重要ですよ」とアドバイスをさせていただいています。

人事制度、賃金制度を導入することによって労働者のモチベーションが上がり、事業収益が向上することが目的ではありますが、その向上した収益以上に人件費が膨らんでしまっては「本末転倒」と言わざるを得ないからです。

制度は持続して初めて効果を発揮するものですから、くれぐれもご注意ください。

賃金は労働者にとっては個別のものですが、事業所にとっては「人件費」という経費であることを忘れてはいけません。

そして、「採用したとき」のことだけに留まらず、「そのときそのときの人件費」と賃金を引き上げていった場合の「今後5年から10年、そして10年から20年の事業収益の見込みと人件費の見込みを想定」して初めて、今現在を構築できるということです。
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戦略的労務管理のすすめ16 [品川トピックス]

求職者を面接、選考し採用を決定すると賃金をどうするかということになります。

求人票を出して募集をかける場合は、当然求人票に記載の賃金額になります。

ひと頃は「求人票と実際の採用時の労働条件は同じである必要はない。」と言われていました。

今もその考え方に変わりはないのですが、求人票の労働条件とあまりにかけ離れていることで、労働トラブルが続いていることから、ハローワークの指導が強化されています。
労働条件の差に根拠がなかったり、悪質と見なされると求人を拒否される場合がありますのでご注意を。

さて、賃金の設定ですが、
①世間相場
②事業所の支払い能力
③労働者の能力や経験
④賃金に付随する費用(労災保険・雇用保険、社会保険の事業所負担)
以上を踏まえて設定しているのが一般的ではないでしょうか。
できれば一歩踏み込んで、
⑤想定される時間外、休日労働への割増賃金
⑥年次有給休暇を全て消化した場合に必要となる人件費
といった、直接的な人件費だけではなく間接的で顕在化していない人件費も想定し、逆算して個人の賃金を設定することが、これからは今まで以上に求められます。

戦略的労務管理のすすめ15 [品川トピックス]

「新卒や若年労働者を採用しても1年もたない。」この7,8年、事業主と面談すると必ず出てくる悩み事で最も多い一つ。

「一生懸命、面接して大卒20人採用したけど、1年後に残ったのはゼロ。2年続けてゼロやで。どう思う?」半ば憤りに近い顧問先の社長の嘆きに「私が責任をもって面接して、採用すれば15人は残るようにしますよ」って言えればいいですが、ちょっと無理ですね。

これは事業所の採用方法が悪いのが原因ではありません。事業規模の大小にかかわらず経営サイドの悩み事のようです。

この問題、中途で20代の若者を採用しても同じです。いや、大卒よりもっと悲惨な結果になります。

何故でしょうかね。よく「長時間労働やノルマでストレスを感じてしまうから」「ゆとり世代で切羽詰まった感覚が乏しく、勤め上げようという気概が見られない」という専門家の方がいらっしゃいますが、どうでしょうか。

原因は確かに社会環境や若者の気質の問題にあるのかもしれませんが、目の前の「労働力を確保する」という現実には何の役には立ちません。

「面白い仕事、やりがいのある役割を与えれば良い」と言いますが、その仕事が面白いかやりがいがあるかは、1年や2年でわかるわけがないのです。

じゃあどんな戦略があるのか、「定着」に戦略はないというのが結論です。定着するまで懲りずにどんどん採用するしかありません。

その内、必ず何人かは残ります。実は意外とそうやって残った人材こそ、結構「会社の宝」に化けてくれます。

少々無責任ですが、「懲りずに採用を続ける」これしかないようです。
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戦略的労務管理のすすめ14 [品川トピックス]

さて、本題。

以前、雇用契約は「双務契約」といいました。事業主、労働者の双方に義務があるから「双務」ということになるのですが、労働者の義務というのが今一、明確にしていない事業所が多いようです。

特に「服務規律」。要するに、働き方のルールですが、出勤時間、退勤時間のみが働き方のルールではありません。

勤務中に行って欲しいこと、やってはダメな事をはっきりと明示して、労働者に理解させ、そして遵守させなければなりません。

「こんなこと、常識だろ」というのが、どうも通用しなくなっているのが昨今の人たちの気質のようです。これって、「若い人だけ」ということではありません。残念ながら、定年間近の人を含め年齢に関わらず、常識が通用しない方がいますので、ご用心。

例えば、飲食店のある従業員の話。

当該従業員が大ファンの超有名芸能人が来店。その従業員、もうハイテンション。それでも、頑張ってきちんとした接客応対をしたので、その芸能人もご機嫌で食事。
そこまでは良かったのですが、お帰りの際に責任者に了解も得ず、芸能人に自分のスマホを持ってきて、ツーショット写真をおねだり。この申し出を芸能人か快く了解し従業員は見事、念願達成。

この後、お店の責任者から注意をしたものの、お客様である、その芸能人が機嫌よく帰っていったこともあり、注意だけに終わったようです。
ところが、この従業員あまりにうれしかったのか、SNSにツーショット写真を掲載してしまいました。後日、この写真が一般のネットに漏れて、この芸能人に知られることとなり、責任者はお叱りを受けることになりました。

これって、良くある出来事ですね。最近は、お店側も従業員に厳しく指導をしておりますので、件数は減っておりますが、まかり間違えば肖像権の侵害などにより多額の損害賠償を求められるといった損害が発生する可能性があります。

「こんなことで?」と思うようなことも服務規律に記載し、従業員に徹底し置く必要があるのです。

この服務規律、よく我々専門家に全ての記載を委ねる場合がありますが、ここは事業主が日頃の出来事をベースに従業員に求めたい、仕事に従事するうえでの注意すべき事項を記載することが極めて大切です。
つまり、ルールに命を吹き込む重要な部分です。決して、疎かにしてはなりませんね。
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